
風俗行かなかったら人生変わっていた男、勝股ぽるち夫です。
ラブホバイト戦記、第3話。前回の面接編を読んでくださった方、ありがとうございます。
結論から言うと、受かりました。受かってしまいました。
持ち物ゼロで面接に行き、その場で履歴書を書き、パスポートの写真をコピーして貼ってもらった男がなぜか合格。
ラブホ業界の人材不足を肌で感じた瞬間でした。
で、今回は研修編。行ってきました。行ってきたんですが・・・
やる気、初期値からゼロ
まず前提として、やる気がない。
面接の時点でペン回し男にメンタルを削られ、「ここで働くのか……」という気持ちが重くのしかかっている。
合格通知を受け取ったときも「やったー」ではなく「マジか」だった。内定ブルーという言葉があるが、ラブホバイトのブルーは色が濃い。
それでも行かなきゃ金が入らない。金が入らなきゃ風俗に行けない。この因果関係だけがぽるち夫を動かしている。
研修に必要な提出物は事前に伝えられていた。住民票、履歴書の原本、証明写真、印鑑。
住民票は取りに行った。わざわざ役所に行った。これだけで偉い。自分を褒めたい。
履歴書の原本は持っていかない。なぜなら証明写真がないからだ。
証明写真を撮りに行く気力がない。駅前に証明写真の機械があるのは知っている。
800円入れて、画面の指示に従って、ストロボが光って30秒で撮れる。知っている。知っているが、やらない。
面接のときにパスポートの写真で許してもらえた成功体験が悪い方向に作用している。
まぁ何とかなるだろ。
この精神がぽるち夫の人生を狂わせてきたことに、まだ気づいていない。
印鑑だけはカバンに入れた。
研修会場に着いた
建物は相変わらず煌びやかで、面接のときと同じオートロック。呼び出しボタンを押して入る。
案内されて部屋に入ると、もう一人の研修生がいた。
汚い爺さんだった。
人の見た目をとやかく言うのは良くない。良くないが、事実は事実として記録する。それがヌキログで研鑽を積んだ風俗ブロガーだ。
髪はボサボサ、服はヨレヨレ、全体的にくたびれている。この人もラブホのフロントで働くのか。
来客がこの人を見たらどう思うのだろう。いや、対面しないタイプの受付もあるか。対面しないでくれ。頼む。
そしてもう一人、見覚えのある男が現れた。
ペン回し。
いた。いやがった。マスク、ニット、そしてペン。ペンを持っている時点でもう回す気だ。
軽く挨拶を交わした。ペン回し男はこちらをチラッと見て小さく頷いた。俺も挨拶をした。
研修のはずが・・・5分で終わった
着席して、提出物の確認が始まった。
住民票。出した。担当者が開いて一瞬止まった。
「これ、本籍が記載されてないですね」
なにっ。
「これだと本籍が入ってないので入社できません」
そんな。住民票に種類があるなんて知らなかった。役所の窓口で「住民票ください」と言ったら出てきたものをそのまま持ってきた。本籍の有無なんて選べたのか。選べたらしい。選ばなかった。
ていうか入社って何だ。俺は社員になるわけでもないぞ。社会に所属したくはない。
「あと、履歴書の原本と証明写真も必要ですが…」
ない。当然ない。持ってきていない。さっき説明した通りだ。
担当者の顔が曇った。汚いじじいがこちらをチラッと見た。その視線が「お前大丈夫か」と言っていた。お前に言われたくない。
「申し訳ないんですが、提出物が揃わないと研修に入れないので、今日はここまでということで……」
5分。
家を出て電車に乗って、駅から猛ダッシュして、部屋に通されて、座って5分。
滞在時間5分。牛丼屋で食べる時間の方が長い。
ペン回しの鼻笑いとかいう屈辱
帰り際、ペン回し男と目が合った。
一瞬だった。本当に一瞬。だが確かに見た。口元がマスクの下でわずかに動き、鼻から小さく息が漏れた。
笑った。今、鼻で笑った。
提出物も揃えられずに5分で帰される男を、きっと見下していたのだ。
お前にだけは笑われたくなかった。ペン回しと俺の書類不備、社会不適合度で言えばいい勝負だろう。
言えなかった。何も言えずに「失礼します」と頭を下げて出てきた。何しに来たんだ俺は。
交通費は出ない
当然だが、交通費は出ない。
5分の滞在に往復の電車賃を払った。この金があればそこそこのオナホが買えた。もっと有意義な使い方があった。
帰りの電車で考えた。俺は社会不適合者なんじゃないか。
面接には履歴書を持っていかない。研修には証明写真を持っていかない。住民票は本籍なしのものを取ってくる。
提出物が4つあって、まともに出せたのは印鑑だけ。
打率は0.25か。野球なら許されるが、社会人としては致命的だ。
ラブホのフロントバイトという、おそらく世の中の仕事の中でもかなりハードルが低い部類の仕事ですらスタートラインに立てない。
でも、こうも思った。
適合する必要があるのか?この社会に。
俺は風俗に生きている。風俗の口コミを書き、風俗コミュニティのヌキログで運営としても関わり、風俗で人生を学んできた。
住民票の本籍記載がどうとか、証明写真がどうとか、そんなものは風俗では聞かれない。書類不備で追い返されたことは一度もない。
風俗の方がよっぽど優しいじゃないか。
とか言いつつ、来週もう一回住民票を取り直して、証明写真を撮って、履歴書を書いて、持っていくんですけどね。風俗利用時のラブホ代のために。
果たして勤務初日にたどり着ける日は来るのか。正直、自信がない。
次回、第4話。次こそ研修を受けてきます。

勤務する気はとっくに失せていますが、このシリーズも10話を目指したいので無理して頑張ります。

